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第20回 情報の秘密管理性について

第20回 情報の秘密管理性について

2.秘密として管理されていること(秘密管理性)とは
(1)秘密管理性について
営業秘密の定義の要件の1つである「情報を秘密として管理されている」とはどういう状態を指すのでしょうか。つまり、何がどうなっていたらこの情報は秘密に管理しているといえるのでしょうか。
「秘密として情報が管理されている状態」を「秘密管理性」といいますが、秘密管理性が認められるための要件は、これまでの判例では次の2点がポイントとなっています。
①営業秘密である情報にアクセスできる者を制限する。
②①に加えて、同情報にアクセスした者にそれが秘密であることが認識できることが必要。(東京地裁平成12 年9 月28 日)。
営業秘密の管理主体は、不正競争防止法上では、事業者を前提としています。よって、秘密としたい情報の創作者が誰であろうと、事業者が秘密として管理している場合には「営業秘密」になる可能性があります。
(2)記憶力の良い人の場合は?
非常に記憶力が良い人がいたとしましょう。その人は、新製品の情報が記載された書類をこっそり見ては、書類の内容を頭の中に記憶して、情報の持ち出しの証拠を残さないようにしていました。このような記憶による持ち出しも、営業秘密の持ち出しに該当するのでしょうか?この場合も、事業者が情報を秘密として管理されていれば、記憶されて持ち出された情報も営業秘密に該当します。
逆に、従業者等(役員・従業者)が創作した情報であっても、単にその従業者等の頭の中に留まり、事業者が秘密として管理していない情報については、営業秘密とはなりません。
技能・設計に関して従業者等が体得したノウハウやコツなどについても、事業者が秘密として管理しているものであれば営業秘密となり得ますが、事業者によってそのような管理がなされていなければ、営業秘密には該当しません。個人に身に付いた技能のように管理するものが難しいものは、一般的に営業秘密になりにくいと考えられています。
(3)秘密であることが認識できる状態とは
秘密管理性の2点目の、「情報にアクセスした者にそれが秘密であることが認識できること」というのは、どういった状態を指し、何をすればよいのでしょうか。
①情報の区分
まず、社内の情報について、何が秘密にしたい情報なのか区別する必要があります。さらに、秘密にしたい情報の中でも、極めて重要でごく限られた人数にしか開示されない情報には「極秘」とし、「極秘」ほどではないが、限られた範囲の中で公開する情報を「秘」とするといったように、情報に応じて区分することが必要です。 かといって、社内にある情報をすべて「極秘」扱いにすればよいかというとそうではありません。「極秘」の情報ですから、相応の厳格な管理が必要になります。例えば、社内のすべての「極秘」エクセルファイルを開くにも、いちいち上司の許可が必要になったりと手続きが煩雑になりますし、管理が面倒だからといって「極秘」情報を社内の共有フォルダに入れておいたり、だれでも閲覧可能なキャビネットに入れていたのでは、「極秘」情報といってもその程度のものということになりますので、社内すべての情報を「極秘」にするのは意味がありません。他にも、徒らに元々「秘」と印刷された紙を使って情報を多数の人に回付するような場合も同様です。
②客観的に認識可能な表示
営業秘密が「秘密として管理」されている情報であることを客観的に認識ができるようにするため、秘密情報が記載された部分の隅に、秘密であることが分かる表示をする必要があります。
具体的には、秘密にしたい書類には「秘」印を押印するとか、USBメモリー等の記録媒体に「秘」シールを貼付することや、営業秘密であること及び、「極秘」「秘」といった機密性のレベルを表示するデータを電子情報そのものの中に組み込むこと、ファイルの開封に関する秘密レベルに応じたパスワードを設定する、あるいはファイルを暗号化することが考えられます。

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